2015年03月19日

マエストロ!を観て

「毎日かあさん」ですごいな、と思ってたんだけど、メジャー映画臭が強烈だったので期待せず観たら、度肝を抜かれた。
過去大量の映画を観てきたが、驚くことに過去最高と言い切れる。
と身近な人には触れ回ってたのだが、ブログには途中まで書いて放置していたらほとんどの映画館で上映終了になってしまった。
まだ二番館や三番館では上映されるようなのでまだの方は是非。
音楽映画なので大音響の映画館で観ないと!

過去最高の一つ、というのはたくさんあるのだけど、明らかに頭一つ抜き出ています。
去年20年ぶりに過去最高を塗り替えた「her」に続いての快挙です。
「her」と「マエストロ!」を比べるのは難しい。
新しい社会を提起するという大仰な仕事を映画に溶け込ませる上で、その映画表現があまりに優しさに溢れさせることに最大限注力されているにもかかわらず映画としてだけでなくSFとしてもどこにも隙がない「her」と、単純に「魅力的な人間による音楽成功譚」が極めて緻密にクライマックスへの布石が張り巡らされている「マエストロ!」。比較する必要はない。どちらも圧倒的に最高。

マエストロ!の良いところをもう少し詳しく。
何が緻密って、ストーリー構成については漫画があるので取沙汰する必要がないが、ワンシーンごとが緻密に完璧だから次のシーンとのつながりに感動できる。カットごとシーンごと。
要は映画としてのシーンのつながりが魅力に溢れている。案外こういうところに感心できる映画って少ない。
どう緻密かというと、一つ判り易いのがシーンが大仰にならずセリフで説明されなくても画面で理解できるように作られているところ。
普通だったらもっと説明的な演出や画面構成になるところを少し引いていたり。
明確なキャラクタばかりなのに、あえてその反動としてか演出が明らかに抑えられている。
くれぐれも丁寧にシーンが繋げられているので静かに確実に観ている側の感情が高まっていく。シーンを追うごとに。

と、こういう部分ってなかなか判る人が少ないと思う。でも、誰にでも伝わると思うんだけど。
しかしながら、知り合いの年輩の映画ファンに「マエストロ!ってとてつもなく良かったですよ」というと「観た。西田敏行がうるさくていまいちだった」だって。
そんな馬鹿な。普段はうるさい西田敏行が渋すぎたのに。ネタバレだけど、あの西田敏行スマイルが終盤のクライマックスまで封印されてる点もものすごく効果的。

探偵ナイトスクープに関して、いまだに上岡龍太郎から西田敏行に交代したことを嘆く人が多いが、その上岡龍太郎の息子が西田敏行を取る、これだけでも美しい、、、いや、そんなことはもちろん全くどうでも良くて。
とにかく、小林聖太郎、また一人「最強の映画監督」として確定した。
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posted by ybj at 20:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画館紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月17日

ランナウェイ・ブルース

またまた度肝を抜かれる名作に出会った。
何これ?

誰にでも名作であることが理解できるけど、具体的にどう良いのかは説明しにくい、そんな映画ではないかと。

絶妙とか完璧という言葉に収まりきらない不思議な良さ。
とにかく端的なのに深い。新たな映画言語なのではないかと思う。

ストーリーは単純。特徴的な演出もない。ように思える。が、異常に淡白。つまり、実は特徴的。
エピソードごとの演出が、本来もう少し劇的なはずが淡白すぎて拍子抜けする。
鬼気迫る拍子抜け感。
いや、拍子抜けって、もちろんそれが新たな感覚で胸に迫るってこと。

それぞれのエピソードが端的で判りやすい。「端的で判りやすい」なんてヘタすると貶し言葉だけど、ストーリー自体も端的で判りやすいし、シーンごとのメリハリもないから、一貫している。つまり、美しい。
その静謐さが・・・いや、静謐なんて言葉に収まりきらない不思議さに、いわゆる映画的感動が溢れさせられる。

なんだかマヌケな文章で伝わらないでしょう。是非観て欲しい。
大傑作。なぜこの映画をかける映画館がこんなにも少ないの?(以下公式サイト参照。たった12館。はあ?)

因みに、テーマ性では同様の「ネブラスカ」や「あなたを抱きしめる日まで」や「とらわれて夏」や「ディス/コネクト」や「ブルージャスミン」や「ある過去の行方」といった最近の傑作と見比べるのも良い。
いずれもテーマに沿った確実な演出によってテーマが浮き彫りにされるパターン。それぞれに最も特筆すべき素晴らしい点が異なるのに一括りにするのは失礼かもしれないが。
で、そんな作品の中から群を抜いて「新言語」感があったのがこの「ランナウェイ・ブルース」。また追いかけなければならない監督が増えた。ポルスキー兄弟。
posted by ybj at 16:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月02日

キリン「澄みきり」のCMには中島哲也サッポロ「黒ラベル」CMへのオマージュ部分がある

タイトル通り。別に「同じ豊川悦司が出ているから」で言ってるわけではない。当然ながら。
ラストのゴールキーパーとして防げずボールをゴールさせられるスローモーションは明らかに「黒ラベル」の温泉卓球編を思わせる。
いわば、元々黒ラベルのCMキャラだった俳優を使う上で、かの名作CMに目配せをしないでいられるわけがない、という判断でなされたのでしょう。
いいじゃないですか。澄みきり、飲んであげたくなりました。

って、ネットで検索しても誰もそのことを(気付いたって)指摘する書き込みがない。
どゆこと?みなさん節穴?みなさん乱発されるビール系飲料に辟易?
って誰が興味あんねん、こんな話、ってこと?

CMは資本主義社会においては最も大事ですよ。
posted by ybj at 14:35| Comment(0) | TrackBack(0) | CM | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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